修理が終わったカメラを引き取った時、おじさんにお願いしてフィルムを入れてもらったけど、撮り終わったらどうやって出すのかを聞き忘れてしまった。
初撮影は、一人で自転車に乗って人の少ない海へ。
ちょうど今の季節だったと思う。町にはハイビスカスや朝顔が咲き始めていて、海ではボート部の学生がスイスイと前を横切っていて・・・そんな風景を写真に焼き付けて。
現像の為、写真屋さんへカメラごと持って行ってフィルムを出してみる。
初めての写真は全くピントも露出も合ってなくて。
しかもレンズにカラーフィルムが付いているのを知らなくって、すべての写真が昭和な懐かしい空気が漂って、不思議な感じだったんだけど、毎日毎日、その写真を見ては昔に父が撮った写真にタイムスリップした気分になったのを覚えています。
そして、その頃に仲良くなった友達が「カメラのお布団」が欲しい?って言ってくれた事が嬉しくって嬉しくって、カメラのお布団研究を始めたのです。
そして現在。
色んな人にもカメラのお布団を着せて街を歩いてもらえるよう、少しずつですがカメラのお布団を産んでいます。
街中で沢山の「カメラのお布団」隊に会う事が、現在の目標です!ふふふふふ。
ボロボロのカメラのケースだけど、嬉しすぎて誰かにどうしても見て欲しかった私。
その頃から一緒に住んでいたおばあちゃんに、何となく見える机の上にそっと置いて反応を見てみる事に。
しかし、おばあちゃんは、なんと無視。
ガーーーーーーーーーン・・・
目の前にあるのに・・・気づかぬ振りなのか、それとも見てはいけないモノと判断したのか?
仕方がないので、「これカメラのケース作ったの。」とおずおず手渡して見る。
黙って触って一言『お布団みたいやね』
そう、初めての作ったケースは、ぶつけても大丈夫な様にと家にあったフリース生地を2重にして入れていたので、モコモコした手触りだったのです。
それをお布団と表現してくれたおばあちゃん。
そうだ、これは「カメラのお布団」と命名しよう。
運命的なネーミング。
ありがとう、おばあちゃん!
しかし、まだまだカメラの扱い方を全く解っていない私。
失敗は数知れず・・・
次回は、このカメラと一緒に写真を撮り始めた頃のお話。
手芸はもともと好きで、本屋さんへ行くと決まって手芸コーナーで立ち読みしてました。(今もしてるか・・・な?)
その頃、まだアンティークのカメラを下げてる女の子もあんまりいなかったので、ちょっと恥ずかしくってまだ外へ出したことがなかった私。
しかも、「カシャッ」と言う素敵なシャッター音さえも、聞きなれず押すたびにビクッ!と。
ケースさえあれば外に持って行けるのになぁ、と思ってましたが作れるとは思いもせず。
ある時、立ち読みした本にカメラの刺繍をした鞄の写真が載っているのを見て「ん!」とインスピレーション?みたいなものが起こったのです。
帰ってすぐに、カメラのレンズに合わせて丸い筒を作ってみたけれど、ボッコボコ(笑)
それでも、何か自分でも不思議なぐらい嬉しくって大興奮!
後は、カメラの本体の袋を作って、それとレンズ用の筒を手縫いしたり、ミシンで縫ったり、ボンドでくっつけてみたり?いろいろした結果、怪しい袋が出来上がったのです。
そう、これがカメラのお布団の誕生だったのです。
と言っても、レンズと本体の繋ぎ目は穴が開いてレンズが覗けるし、あっちこっちから糸が出て引っ張るとえらい事になりかねない・・・とんでもないものだったのです。
それでも、何となく初めて感じる幸せな充実感と疲労感がありました。
さて、カメラのお布団と言う名前の由来は?
答えは次回!
空が高い高い高?い。
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